ライフステージと真実①
一般的に人生にはライフステージがあります。進学、就職、結婚、出産、昇進、引退など、人生で直面する課題をさします。ライフステージには一般的には何かを選んだり捨てたりする行為がついてきます。何を選び、何の優先度を下げるか。その決断の裏にはきっと何かそれぞれで違ったストーリーがあるはずです。
選択自体は、早ければ小学生のうちからやってきます。
例えば運動のできる子はサッカー、野球、水泳、陸上などから自分がこれから長く付き合うスポーツを選んでいます。野球ならば、低学年から習い始めて上達が早いと、高学年になる頃にプロも含めた先を見据えて、軟式からリトルへ行くなどの選択をしています。これまでに出てきたチームから離れたり、出場機会が減る可能性があろうともです。勝利志向で自己犠牲を求められることも織り込むことがあるでしょう。さらに中学やその前後ではその影響度の高い選択をします。シニアか部活か、高校でも運動を続けるかも決めるタイミングがやってきます。
そして最も多くの生徒が選択をするタイミングになるのは高校受験です。高校受験に対する姿勢は千差万別。中学受験の結果を見たり、進学校の存在を知り努力を早くから始めるものもいれば、定期テストの結果が悪いにもかかわらず最後までエンジンがかかったりかけたりすることもないものもいるでしょう。また、選択することに自覚なく鈍感なまま良い選択ができることもあります。鈍感さがゆえに危機感がなくあまりに素の自分で挑んでしまい、失敗に終わるものもいます。
真実は間違いなく選択を鈍感なまま進んできたタイプです。真実にやってきたはじめての選択の機会はおそらく高校受験です。成績が足らないまま何となく描いていた進学校を外さざるを得なくなってしまいました。高校受験は大学受験と比べてあまり重視されるテーマではありません。就職して、あるいは結婚、引退、その時まで大学受験の結果を悔いることはあるかもしれませんが高校受験ではあまり聞かないでしょう。私個人の話にはなりますが、高校でどこを選ぶかは大学にしても就職にしても大きな結果を左右することになると考えています。大学受験では高校時代の勉強が重要になってきますが、高校時代の勉強はどの高校を選ぶかで全く違ってきます。英語であれば高校3年間の勉強で英検準一級を十分に狙えるカリキュラムの高校もあれば、大学受験で一般的に出題される500語以上の英文に一切触れずに、alsoやwithoutのような基本的な単語にも注をいちいち入れるほどの易しい英文しか扱わず、英検3級相当の力すら怪しい高校もあります。また、部活でも野球に必要な9人すら集めるのに苦労する高校もありますが、他の高校なら十分にレギュラーを取れる力がある選手でも一回もベンチにも入れない高校もあるのです。
真実はおそらく勉強や部活を熱心に進めるタイプではありませんが、男子校か女子校か、あるいは繁華街にあるのか住宅街にあるのか、都内に出やすいのかまで考えても良かったかもしれません。そうすれば、よりライフステージが進み、進学先の選択や、就職先の選択でもあるいはもっと先の時間を見据えた選択に役立つでしょう。
高校受験の次に多くの人がライフステージを選択するのは、大学や専門学校への進学か就職かでしょう。真実はエスカレーター式の女子校に入れてしまったため、付属の高校から何となく進学してしまいます。このタイミングではいよいよ県外か、就職か、地元に残るかを自らで判断する時ですがそれも行うことができていません。
そのまま就職活動を迎えていく真実は、就職に関する知識があまりに乏しく、正社員の面接かもわからないまま面接に行ったり、志望度を聞かれた場面で素直に第一志望と答えれば良いところを答えられないなど、就職活動をうまく進めることができませんでした。
次のライフステージの結婚に進みます。